下田 愛さん

夢だった離島暮らし

私も主人も出身は北海道、移住する直前は北広島市というところに住んでいました。主人は、ピザ屋を経営していて私は歯科衛生士をしていました。高校の同級生だった夫と20歳の時に結婚し、子供も2人産まれ、家も新築で建てたりと、順風満帆でした。アウトドアも好きなので、休日は家族で道内各地回ってキャンプしたりと、北海道での暮らしも楽しんでいました。そういった環境を離れてでも、小豆島への移住を決めた大きな理由は、夫と私の前からの夢だった「離島暮らし」を叶えるためでした。
いつかとはうっすら考えていたんですが、長男が中学校にあがる前、小6の2月くらいから本格的に移住を検討し始めました。
移住する島は、基本的に暖かいところでとも考えていたので、災害面とか島の規模感とか諸々考える中で小豆島がベストでしたね。

タイミング良く見つかった住まい

まずは住むところが必要なので、空き家バンクで物件を何件かピックアップして、夫が一度島に見に行ったんです。そこで近々島内引越しをするから空くという物件の情報をタイミング良くいただき、早速外観だけ見せてもらったんですが、その環境がとても良さそうだったので、即決しました。
ただ、仕事をどうするかその時点では決めてなかったので、生活の糧をどうするか心配ではあったんですが(笑)。私も夫もそんな考え込むタイプでは無いので、いい家が見つかったから、仕事も何とかなる!って感じで、新しい場所での生活に向けて、私たち家族の新しい人生が動き始めました。
外観しか確認出来なかった家も、前住人との入れ違いなので傷んでいる部分もなかったので、大きな補修工事は入れていません。トイレと洗面台を新しくしたかったので、それだけ業者さんに頼んで、あとは漆喰の壁を塗ったり‥初めてだったんですけど楽しかったなぁ。
一番大変だったのは、引越しですかね。北海道から小豆島ですから、距離も離れているので引越し費用もかなりかかりました。現実面としては、移住当初は結構お金がかかってしまいましたが、北海道の持ち家を売って引越したこともあり、当面の生活はそれでやりくりしていました。

お店で広がった島の繋がり

移住してから間もないうちに夫は島内のオリーブ会社に就職し、私は子供たちが慣れるまでは、専業主婦としてやってました。北海道にいたときに店舗経営してこともあったので、元々子どもたちが慣れてきたら、自分達で飲食店をやりたいね、ということ話はしていました。何をやろうかいろいろ考えた結果、北海道出身だし島内にも馴染みの薄かったスープカレー屋をやろうということになりました。
島の人に受け入れてもらえるかという不安を抱きつつ、2017年12月にオープンしましたが、有難いことに直後からたくさんの方に来ていただき、店のお陰で島内の繋がりもかなり増えました。
ただ、繁忙期と閑散期の差が激しかったので、店舗の運営も経営も大変なことは多かったです。店自体も、あまり休むことなくやってたので、体力的にもハードでした。オープン以降ずっと突っ走ってきていましたが、これからの私たちの島ぐらしや、今後の子どもの将来を考えたときに、もう少し安定した方がいいなという結論に至り、2019年12月で一旦お店は閉じてお互い転職という選択をしました。
現在は、私は島内の広告制作会社の営業職、夫は船舶料理人として働いています。お互い職場の環境も良く、人にも恵まれているので、新しいステージに進んでからも楽しくやれてますね。
家族みんな小豆島は気に入ってるし、今の共働きの生活を続けながら、将来的には小さい家でもまた建てれたらいいなって思ってます。

島ぐらしを考えている方へのアドバイス

お仕事は、都会に比べて条件は厳しいところもありますが、夫婦で共働きとかなら、2馬力なので全然やっていけます(笑)。
お家は賃貸アパートとかは意外と高いので、空き家バンクを利用するのがいいと思います。
島の人も優しくて、楽しんで暮らしている移住者の方も沢山いるので、きっとすぐ馴染めますよ!

プロフィール
下田 愛(しもだ あい)
1982年、北海道生まれ。
2016年夏に移住。夫・長男・長女の4人家族。
移住当初から考えていた飲食店を2017年12月から2019年12月の2年間経営後、現在はお互い転職し新たな分野で奮闘&島ぐらしを満喫中。

インタビュー取材・文担当。小豆島出身、進学のため島を離れ、大学卒業後東京で約10年アパレル関係会社で勤務。2017年に小豆島へUターン。現在はpizza kamosでの店舗プロデュースをメインにプランナーとして活動中。

Other Stories