大西 時雨さん

不便じゃない離島

地元は三重県になります。高校卒業と同時に東京に上京し、専門学校でプログラミングを学び、卒業後は東京の企業でエンジニアとして7、8年勤めました。エンジニアとして勤務しているうちに、その頃新しい働き方として注目され始めていたリモートワーク(テレワーク)が、私たちにとって理想的なスタイルではないかと思い、徐々に現実的な検討をし始めたのが2015年ぐらい。
最終的に小豆島に決めた理由としては、元々小さい頃から離島暮らしに憧れがあったということ、離島だけど生活する上で不便な部分が無さそうだったことがの2点が大きいです。特に後者については、地方暮らしであっても病院やスーパーがない生活はあまりイメージできなかったので自分が理想とする条件とのバランスが丁度良かったのが小豆島ですね。
妻も実家が高知と近く、仕事もフリーのウェブデザイナーで場所を選ばずに出来るので、住居に対しての制限は特にありませんでした。

新鮮で楽しい島ぐらし

移住して最初に住んだ神懸通(かんかけどおり)地区は、近くに山が多く春ということもあり、毎朝鳥の鳴き声で目覚めるような生活でした。イノシシとかも時々見かけるのですがそういうことも含めて、小豆島という生活が新鮮で充実した毎日です。
しばらく経った頃に、「ヤギとか飼いたいね」と妻と話したことがありました。最初は軽い気持ちで話していたことでしたが、移住の際にお世話になった方からヤギを飼っている方を紹介していただき、譲っていただけました。珍しさからか近所の方に話しかけられることも増え、地域の人と仲良くなるきっかけにもなりました。また、仕事柄自宅での作業になり、普段外に出て人と話す機会があまりないため、地域の行事に積極的に参加していましたが、それもとても歓迎されました。

移住してから数年が経ち、改めて小豆島はすごく自分たちに合った場所だと思い永住を決めました。永住するとなると、賃貸では何かと不便であったり自由がないところがあるため思い切って土地と家を購入しました。元々住んでいた神懸通地区との別れは惜しかったのですが、同じ島内なので今でも交流が続いていてスーパーなどでもよくお会いしたりします。
新居を構えた滝宮(たきのみや)地区は、地区の中では山手側にあたりますが海も見えて景色が非常に綺麗です。まだ住んで数ヶ月ですが地域の方々にも優しく接していただいており、非常に充実した毎日を送っています。先日娘の遊び先として滝宮の公園が整備されると嬉しいなと雑談程度に話したのですが、なんと自治会の方でちゃんと議題として上げていただき、今度整備されることになりました。感謝の一言に尽きます。
この先プログラミングの仕事がなくなったとしても島での生活はずっと続けていきたいと思っています。

小豆島での子育て

自然が多く、地域の方にも見守られていて、とても良い環境ですね。
妻もママ友が出来て、地元の方々との交流がどんどん広がっているみたいです。公園や子供が遊べる施設がもう少しあると嬉しいですが、それは今後自分たちが解決していかなければいけないことだと思っています。
4月からは子供を保育園に預けて妻も仕事に復帰するので、また生活のリズムが変わってくるんだろうと思いますが、子育てもしやすく家族の時間が持てる今の小豆島での暮らしに私はとても充実しています。

島ぐらしを考えている方へのアドバイス

島ぐらしに何を求めるかによって異なりますが、地域の行事に参加することは自分たちには非常に良かったです。
参加するだけで地域の方々は喜んで接してくれます。そのきっかけを作るのは自分達にしかできないことだと思います。

プロフィール
大西 時雨(おおにし しぐれ)
1986年、三重県生まれ。
2016年春に小豆島に移住。妻・長女の3人家族、WEBエンジニアのリモートワーカー。毎日の日課は飼っているヤギとのふれあい。

インタビュー取材・文担当。小豆島出身、進学のため島を離れ、大学卒業後東京で約10年アパレル関係会社で勤務。2017年に小豆島へUターン。現在はpizza kamosでの店舗プロデュースをメインにプランナーとして活動中。

Other Stories