柿迫 航さん

小豆島に住む前は鎌倉で生活されていたんですよね?

そうですね。元々は東京で暮らしていて小豆島に来る前に縁があって、鎌倉に引っ越したんですよ。
大学を卒業してからは東京に住み東京で働くという生活をしていたので、今思えば鎌倉はプレ移住みたいな感じでしたね。鎌倉の暮らしが無かったら、もしかしたら小豆島にも来てなかったかもしれません。

鎌倉で暮らし始めてから、自分達のライフスタイルを色々考え直すようになったんです。自然が身近にあって、地域の人との関係性も持てる暮らしが自分達にはすごく心地よくて。当時はまだ東京まで電車通勤をしていたのですが、東京の満員電車や人の多さといった今まで普通だった事が、ものすごくストレスに感じるようになってきたんですよね。会社の仕事自体は楽しいし満足していたんですけど、今度は自分達の暮らしの方にスポットがあたってきた感じで。それから具体的に移住を考えるようになりました。

鎌倉での生活も古民家暮らしをしてみたり、すごく気に入ってたんですけど、何かもっと自分達の手で暮らしを作っていくという感じの事をやりたくて。ただ実際に形にするところまではなかなか難しかったんです。

移住へのステップと今の働き方

小豆島には何度か旅行とかで来ていて、その時から土地も人もすごく気に入っていました。島のお店の人とか知り合いも少しづつ出来ていたので、不思議と愛着があって。移住を考える上で自然と第一候補になってましたね。他の場所ももちろん探したんですけど、なんかピンと来なかったんです。小豆島の移住体験ツアーに参加したのも大きかったですかね。実際に空き家見学を出来て、地域の人と話したり、受け入れてくれる環境があるなと実感できました。
それからは家探し。空き家バンクを見まくってましたが、なかなか見つからなくて‥少し不安にもなったときもありましたが、急にいい物件が出てきてすぐ決めた感じです。

仕事は、今の会社では初のリモートワーカーという働き方をさせて頂いてます。慣れるまでは戸惑いましたが、今ではむしろより効率的にやれていますよ。副業も会社的にはOKなので、元々あった繋がりからお仕事を頂いたりとか、社外の案件もバランス良く出来てます。たまに東京の本社に出張し働くこともあるのですが、逆にオロオロしてしまいます(笑)。
でも、自分達の考えを理解してくれて、こういう働き方をさせてくれる今の会社には本当に感謝しています。

都市部で働いている人達の暮らし方の選択肢を増やせるように

こっちに来て暮らし始めてからはより自分達のやりたい事の解像度が上がってきた感覚があるので、今後は少しづつそれを形にしていけたらなって思っていて。
例えば、都市部で働いている人達の暮らし方の選択肢を増やせるように、実際住んでいる自分がデザインを通して誰かの生き方のキッカケ作りみたいな事ができればいいかなとか、あとは小豆島の暮らしもすごく気に入ってるので、そんな島に恩返しができるように自分達の出来る範囲の事をやっていきたいなと思っています。
色んな人と関わる事で、島の暮らしや働き方の可能性を増やしていきたいですね。

島ぐらしを考えている方へのアドバイス

一番いいのは、中長期くらいで滞在してみて暮らしの感じをみるのがいいと思います。
あとは移住してきたお店の人に話しかけてみるのもいいんじゃないですかね。
僕たちはそこから情報を得る事もあったので。
皆さん気さくに話してくれるし、色々力にもなってくれますよ。

プロフィール
柿迫 航(かきさこ わたる)
1987年東京都生まれ。妻と猫2匹の島暮らし。
東京のデザイン会社勤務(リモートワーク)。
良い空間づくりをしているお店巡りが趣味、最近は自宅の畑で家庭菜園に挑戦中。

インタビュー取材・文担当。小豆島出身、進学のため島を離れ、大学卒業後東京で約10年アパレル関係会社で勤務。2017年に小豆島へUターン。現在はpizza kamosでの店舗プロデュースをメインにプランナーとして活動中。

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