松本 聖子さん

都市部で辛かった子育てが、島では「楽しい」に変わった

引越し三日後には、0歳と2歳の娘を連れて土庄の支援センターに行ってました。みんなからは「引越し三日目でここにおるってどういうこと?家の中、どうなってんの?」とか言われたけど、『土庄町の支援センターはいい!』と聞いていたので、とりあえず行ってみようと思いました。そこで小豆島に嫁いだ大学時代の友人にたまたま出会って、そこから広がっていきました。
移住してから一年ぐらい経ったとき、公園で移住者のママに出会って、自主保育サークルを作る話で意気投合して、しましま幼稚園(自主保育サークル)を立ち上げて、山歩きをしたり、カヤックをしたり、海で遊んだり。同じような年代の子育て世代と繋がることができました。家におったら煮詰まる。みんなの子どもをみんなで育てる。こっちに来てから、あっという間の子育て期間でした。マンションにおるときは息がつまって、しんどかった子育てが、小豆島にきて、とにかくすごく楽しかったです。キラキラした子育て期間でした。もどりたい!毎月キャンプしたい!

島で出会った仲間がいたから頑張れた

子育てで大変なこと‥そりゃ、たくさんありますよ!
乳飲み子をかかえながら、まともに座ってご飯を食べられない。片手に下の子を抱きながら上の子に食べさせるみたいな生活で、ゆっくり座ってごはんを食べられなかった。お風呂だってひとりで入れない。年子の娘のおむつがはずれるまではそりゃもう毎日ドタバタでした。それでも子育て中だし、そんなもんだと頑張ってましたが、やっぱりしんどかったんだと思います。今まで私がんばったなと思って、号泣した覚えがあります。
でも、なんでがんばれたかと言うと、同じような状態で頑張っている島の仲間がいたから。「家のことは全部おいといて、とにかく出ておいで」「おにぎりだけでいいから」と言ってくれました。大変な部分を救ってくれたのが、しましま幼稚園でした。それがなかったら育児ノイローゼになっていたかもしれないなぁ、今思い返すとゾっとしますね。

小豆島の暮らしの中で大切にしていること

自然の中でゆっくり過ごす時間を大事にしたいと思っています。
高松に住んでいたときよりも、山歩きをしたり、海にいったり、田植えしたり、どろんこ遊びをしたり、自然と関わる時間が膨大になって、いろんなことに気付きました。大事なことは日々の暮らし方だと思うようになりました。高松では、分刻みの忙しさで、今から思えば、緩急がなかったからしんどかったのかなと自分を振り返れるようになりました。
大変なときも、忙しいときもあっていいけど、自分を緩める時間も必要。私にとって大事な気持ちを整える時間が持てる島の環境には、とても感謝しています。

リフレッシュできる場所は?

海!!!
山も好きだけど、海は10分以内でいけるので。ひとりで夕陽をみにいったり、少しだけ歩いてみたり。10分でも時間ができたら裸足になって砂浜を歩いたり。わざわざ行かなくても、そんな海がそこら中にあるのがいいです。
小豆島は絶景だらけでリフレッシュできるところだらけですよ!

島ぐらしを考えている方へのアドバイス

虫ですかねぇ‥周辺環境にもよりますが、ムカデと羽アリへの心構えはしておいた方がいいです。知っとかんとえらい目に合う。初年度は羽アリが40~50匹入ってました。羽アリは飛んできそうな時間帯に消灯して、ムカデはミント水でなんとか減りました。島に来て困ったことは、その2点ですね。ムカデと羽アリのときは、もう帰りたいと思いました。
子育て中のお母さんへのアドバイスは「自然の中で仲間と一緒に子育てしたら、すごく楽しいよ」ということです。それが移住の醍醐味だと思います。小豆島には子どもと遊べる場所があちこちにあるから、自然の中に出て行って欲しいです。家の中にこもってたら、都会も田舎も一緒。せっかくだから島暮らしを楽しんでくださいね!

プロフィール
松本 聖子(まつもと せいこ)
1981年、香川県生まれ。
2011年春、家族で小豆島に移住。2019年、オリーブオイルマッサージを中心としたリラクゼーションサロン「OPEN」を起業。2児の母。

インタビュー取材・文担当。香川県出身、2012年に小豆島へ移住。自宅に事務所を構えて、主にグラフィックデザインとWebサイト制作を行う。海と山に囲まれた家で、日々の暮らしを満喫中。4児の父。

Other Stories