佐藤 和恵さん

生活の為に働く都会生活への違和感

こっちに来るまでは、生まれも育ちもずっと愛知です。
栄養士の専門学校を出ていたので、飲食系のお仕事が中心でした。元々食べ物に関わるお仕事はしたいと思ってたので、そういう仕事に自然に就いていました。事務職とか他のお仕事もいろいろやりましたが、やっぱり飲食のお仕事が楽しいんですよね。
ずっと実家で過ごしてたんですけど、そろそろ一人暮らしもしてみようという事で30歳になったタイミングで名古屋の街の方で住み始めました。初めての一人暮らしは自由で快適だったんですけど、当時は掛け持ちで朝から夜まで仕事しているような働き方だったんで、家に帰ったらただ寝るだけっていう生活で「何してるんだろう」ってちょっと思ってましたね。当然、自分でそういう選択をしたわけなんですが、生活費を稼ぐために仕事をしているみたいな感覚がありましたね。

最初に小豆島に来たのも30歳くらいの時かな。
私、お母さんと旅行をよくしてたんですけど、高速バスのパンフレットに”島へ行けるフェリー付きのチケット”というのが載ってたのを見つけて「あ!映画・八日目の蝉のロケ地だ!」って、興奮しちゃいました(笑)。
それで初めて来たんですけど、とにかくその最初に来た時の島の印象が良かったんです。船でしか行けないっていう離島感とか、港とかにも馴染みが無かったので新鮮で。
母も気に入って、それからしょっちゅう訪れるようになっていきましたね。

縁とタイミングで進んだ小豆島移住

そのあと、2013年の瀬戸内国際芸術祭でボランティアスタッフを募集してたんですよ。芸術祭自体にも興味があったし、旅行だけじゃない接点を作ったら瀬戸内地域のことがもっと知れるかなと思って参加しました。そこで、思っていた以上に瀬戸内の雰囲気とか良さをより知れて、体感できたし、結構繋がりも出来ましたね。

そうやって、地域との関係性を深めているうちに、なんとなく「こっちに住みたいな」って思うようになりました。
最初は移住に島ってハードルが高いかなとビビって、高松も考えたんですけど名古屋から高松ならどうせなら島に行っちゃえっていう気持ちにもなって(笑)。
それでいろいろ調べていたところ、NPO法人トティエが主催している移住体験ツアーのことを知り、2018年の冬に参加したんです。まぁ、いろいろ体験してみて無理そうであれば、またその時に考えればいいよなって感じで参加しました。
その時のツアーは参加者自体が少かったんですけど、それが逆にコンパクトで良かったんです。コミュニケーションも取りやすかったですし、今働いているパン屋さんにも連れて行って頂いたりして。ちょうどそこで、スタッフの募集があってご縁がありお世話になる事になりました。

ツアーに参加して、「あ、住めそう」っていう感覚もあったし、具体的に島ぐらしを考えるようになりましたね。働くところも見つけたし、後は家だと思って空き家バンクで探してたんですけど、気に入ったところがすぐ埋まってしまってて‥そしたら、ちょうどトティエさんが管理するシェアハウスを紹介されたんです。結構広いし、住みやすそうだからいいかなと思い、即決しました。
振り返ってみると、ツアーに参加した月の月末には移住が決まるっていう、私の人生の中でもありえないぐらいのスピード感でしたね(笑)。
小豆島にいつか住みたいってずっと思ってたので、全て結果いいタイミングだったんですよね。ツアーに参加したのも大きかったです。

馴染んてきた島暮らしとこれからの暮らし方

島の生活は段々慣れてきました。
最初に住んだのがシェアハウスっていうのも良かったかもしれません。知り合いが全くいない中で、一緒に住んで交流があるっていうのはかなり心強かったですね。
同世代の人も多くて、なにか悩み事があっても相談できる環境っていうのも大きかったです。今は引っ越して離れちゃいましたけど、今でもシェアハウスメンバーとは交流はありますし、たまに行っても懐かしいです。なんかホームに帰ってきた感がありますね(笑)。

仕事のパン作りの方は、前の店長が辞めてからは自分が引き継いで、パンの製造をやらせて頂いています。最初は大変でしたけど、最近は慣れてきて自分のペースでやれるようになってきました。パンを作る事自体は好きだし、お店もある程度は任せてもらってるので自由に自分のペースでできるっていうのは、やりやすいです。
観光で人気のあるお店なので、お客さんも沢山来てくれるし、大変な事もあるけど恵まれた環境だよな、って日々思いますね。

休みの日は島外に出る事も多いですね。
一人旅だったりお母さんもたまにこっちにくるので、一緒に行ったり。ということもあって、そんなに島内のコミュニティは広がってないんです。車を持ってないので、島内でそんなに遠出はしないですしね‥旅行で島に来た時の方が色んなところいってたかもしれません(笑)。
現状島内のコミュニティとかは、そんな感じで自分思ってたほど広がっていないです。今は仕事が忙しいっていうのもあるけど、少しづつそういうのも広げていければいいかな。
島でゆっくりした時間を過ごす感じで来たんでけど、今は意外と仕事でいっぱいいっぱいでそうでも無いって感じなので(笑)。
今後は、もっとそういう余裕を持てる働き方や島暮らしをしていきたいですね。

(2020年3月18日インタビュー)

プロフィール
佐藤 和恵(さとう かずえ)
1983年愛知生まれ。
2018年秋に移住体験ツアーに参加し、2019年冬に小豆島に移住。
現在は、島内でも人気の観光スポット「MORIKUNIベーカリー」でパンの製造販売を担当している。
趣味は一人旅。最近は休日に島外に出て電車やバスで色んな場所に行く事がマイブーム。

インタビュー取材・文担当。小豆島出身、進学のため島を離れ、大学卒業後東京で約10年アパレル関係会社で勤務。2017年に小豆島へUターン。現在はpizza kamosでの店舗プロデュースをメインにプランナーとして活動中。

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