中田 雅也さん

即決だった、島でのビール造り

前の仕事は大阪で営業職をやってたんですけど、結構ハードなのもあり、いつか辞めて次のステップに進みたいとは思ってました。
でも、人が良いからなのか(笑)‥結局続けて。そんな生活の中でも、ずっとビールを造ってみたいなぁ、とは思っていました。とはいえ、現実的に開業資金も無いし、このままいくのかなぁとも思っていたんですが、ここを辞めるなら自分のやりたい事をするべきだなと日に日に強く思うようにもなっていました。
その後、縁があって岡山の吉備土手下麦酒醸造所さんに出会うことになったのがキッカケで、小さい醸造所でもいいから、好きな事を思い切ってやってみたいと思い、1年間勉強させてもらう事になったんです。
自分が開業するところも決めておきたいとも考えていたので、その頃に関西圏を中心にいろんな場所を巡っていました。関西の地域や、他の島も見たんですけど、全然ピンとくるところが無くどうしようかと思っていたところ、地元の友人が小豆島と繋がりがあって、おすすめしてくれたんです。
まだ行ったこと無かったのもあって、どんな島だろうという興味もあって訪れてみたら‥いやぁ、驚きました。海も山もあって、これどこでビール飲んでも美味いやん!って(笑)。しかも、こんな大きな島やのに地ビールがまだないっていうことも聞いて、さらに興味が湧きました。災害も少ないし、治安も良くて暮らしやすそうだし、何より僕が出会った島の人が移住者に対してネガティブなイメージを持っていなかった。
初めて来た島でしたが、ご縁と直感を感じ「ここでやろう!」と、即決してしまいましたね。

島全体が盛り上がるように色んなことをやっていきたい

島内にはいい生産者さんが多くて、そういう人達の気持ちが入ったものは、形や色が悪いだけで売れないものでも、なるべく買い取って使いたいと思っています。色んな人と繋がって成り立っている商売なので、それは一番大事にしています。でも、僕にとってビールは一つのツールでしかなくて、最近は島が盛り上がるのであればビールじゃなくても何でもええなって思うんです。そんな風に今後は小豆島全体が盛り上がるように色んなことをやっていきたい。
引っ越してきた当初は、自分の事で精一杯やったんですけど、日々島で生活するにつれ、島への愛着が強くなってきましたね。大阪に帰省してもすぐ帰りたいと思っちゃいますし。

あと大事にしたいものは、やっぱり家族との時間。
大阪時代にあまり無かった、子どもとの時間は積極的に作りたいと思っていましたし、実際に島での生活を始めると、自然と一緒に居る時間が増えました。日曜日は妻に店番を代わってもらうとか、平日もこの時間までには家に帰ろうということを意識しています。
子育ての環境としては、めちゃくちゃいいですよ!子どもだちも楽しそうだし。近所の人達が信頼できるのはいいですよね。

島の人は穏やかでいい人が多い

妻が島ぐらしに慣れてて、島の人との付き合い方などをアドバイスしてくれたのは大きかったです。
地域の行事とか、積極的に参加するようにして、コミュニティを広げていった感じですね。同世代でお店をやってる方も多いので、仕事柄交流は多い方だと思います。僕、ほんまこの商売やるのに島の人に嫌われたら終わりやと思ってるんで(笑)。
基本的に小豆島は、穏やかでいい人が多いです。
特に僕が住んでる地区の皆さんは、ほんとめちゃめちゃええ人ですね。

島ぐらしを考えている方へのアドバイス

アドバイス出来るような立場じゃないですけど、自分が何をを重要視して来るかっていうとこですよね。とりあえず、島ぐらしがしたいって人であれば、小豆島は働き口は選ばなければいくらでもあるのだから来ればいいと思うし。
島で自分で好きな事がやりたいっていうのであれば、本気でやればチャンスもきっとありますよ。もちろん大変な事も沢山ありますけど、そういうのもひっくるめて楽しめればきっと充実した島ぐらしができる思います。

プロフィール
中田 雅也(なかた まさや)
1983年、大阪府生まれ。
2016年春に小豆島に移住。妻・長女・長男の4人家族。
唯一無二のビール好きで、移住直後から発泡酒の醸造・販売をスタート。
原料から醸造まで小豆島産にこだわったビール造りを行っている。

まめまめびーる

香川県小豆郡小豆島坂手甲769
TEL 0879-62-8670
営業時間 12:00-17:00 ( L.O 16:30 )
定休日 火曜・水曜(季節により変動あり)
https://www.mamemamebeer-shodoshima.com/

インタビュー取材・文担当。小豆島出身、進学のため島を離れ、大学卒業後東京で約10年アパレル関係会社で勤務。2017年に小豆島へUターン。現在はpizza kamosでの店舗プロデュースをメインにプランナーとして活動中。

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