跡部 有紀さん

豊島から小豆島へ

小豆島に来て、1年半くらい経ちましたね。
仕事は島内の佃煮製造会社で、品質管理や現場の衛生管理を担当しています。大阪出身で、エリア的に近いは近いんですが、瀬戸内にはゆかりは無かったですね。越してくる最初のキッカケは、以前働いていた大阪のオリーブの加工品販売会社なんです。その会社は、主に海外のオリーブオイルを扱ってたんですけど、年に一回小豆島産のオリーブオイルと新漬けを扱う事があって、それがめちゃくちゃ美味しかったんです。個人的にもオリーブは好きだったのですが、国産のオリーブでここまで美味しいのは、食べたことが無かったんです。一度作ってるところを見てみたいと思って興味を持ち始めたのが、源流ですね。
そこから小豆島でオリーブ関連の仕事がしたいなと思って探してたんですけど、その時期がオリーブの収穫の前だったかなにかで、求人自体あまり無かったんです。「あぁ、ダメかぁ」と思っていたタイミングに、小豆島の隣になる豊島のレストランがオープニングスタッフを募集しているのをインターネットで見つけたんです。小豆島じゃなかったけど、豊島もオリーブがあるっていう話も聞いていたし、食に関わる仕事だったので行ってみようかなと、気持ちが固まりました。
豊島で働いている間も、やっぱり小豆島で暮らしたかったので、仕事が休みの日に通いながら、お仕事は並行して探してましたね。ご縁が合って今の佃煮製造の会社の方と繋がって、結果的にお世話になる事になりました。今の会社、農園も持っててオリーブも育てたりしてるんですよ。そういうのも決め手になりました。
職探しで小豆島に滞在している間は、移住サポートをしているトティエさんにお世話になりました。滞在中は移住体験施設を利用させてもらって、ちょうどそのタイミングでトティエさん主催の移住体験ツアーとかも重なっていたりしたので、飛び入りで参加させてもらったりしましたね。
他の参加者さんに比べると、小豆島のことは知っていたので、暮らしの情報というよりかは、普段会えないよう島の方に会う機会を得られて、人を通じて小豆島の良さを再確認したような記憶があります。

新鮮な小豆島での職場環境

小豆島の生活、すっかり馴染んじゃいました！
島での暮らしは豊島でも慣れていたんですが、あっちは基本自給自足的なところがあって。自分も影響されてやらなきゃっていう気持ちがあったんですけど、こっちでは肩の力が抜けて暮らせてるというか‥って言いながら豊島の暮らしは豊島で楽しかったんですよ。不便なところはあるけど、その分”日々島で暮らしてる”感はだいぶありました。
小豆島はどっちかっていうと街で暮らす感覚に近いですね。人との距離感もほどよくて、バランス良く自分の時間も取れるようになりました。
仕事もいままでは、自分がやりたいって思って選んできた仕事が多かったんですけど、今の仕事はこれまでの自分では選ばなかった仕事ということもあるのか、新鮮味があって楽しいです。まぁ、都会に比べると、労働条件は厳しいところもありますけど、今の職場は比較的自分のやりたい事も許容してくれる環境で働けているのでやりがいもあります。
今の業務はデスクワークも多いんですが、なるべく自分も現場の工場作業に入って一緒に作業したりスタッフにヒアリングをして、現場の意見を吸い上げられるようにと心がけています。とにかく、まだまだ勉強しないといけないことはあるので、自分の中で楽しみながらやっていきたいですね。

大事にしている島内の繋がりと今後のこと

交流を盛んにしている移住の方に比べると、それほど多いほうではないと思いますが、性格もあるので人それぞれでいいのかなと思います。自分の時間も欲しいタイプなので、結構家にいる事も多いですし‥とか言って、知り合いのお店に行ったりとか島内のイベントにもたまに行ったりとかはあったりと、自然体に無理せずいろいろやっている感じですね。
最近は、英会話や陶芸とか習い事も始めたりしているので、今後は仕事以外の繋がりも出来るだけ増やしていきたいなって思ってます。あとは、これ豊島にいたときもそうなんですけど、地元の人との交流も個人的には大事にしていてますね。島のおじいちゃん、おばあちゃんとか昔から暮らしている人にお話聞くの好きなんです。島の伝統や文化の事をお話してくれたりして、そういうの面白いじゃないですか。ちょうど今度、一緒にお遍路に連れて行ってもらうんですよ！
私は、都会の暮らしが嫌で出てきたわけでは無いので、この先ずっと小豆島に暮らすかというと、正直まだ分からないです。でも、今はこの暮らし気に入ってますし、なるべく小豆島にいたいなと思ってます。
今年で２年目になるので、島の中でやりたい事もすこしづつ見えてきていて。今後は少しづつ自分の将来の事も考えながら、島の暮らしを楽んでいけたらって思ってます。

（2020年2月29日インタビュー）